理由

数日前に母が入院した。
死のうとしたらしい。
薬を過剰接種し体調を崩した。自分で立って歩けるほどの軽症ではあったが
5日ほど入院している。

以前バイトしていた急病センター、3日で辞めた。
受付窓口に貼ってあるキャラクターシールに顔を隠しながら問診票を書く。
この状況を笑われているような、噂されているような気がした。
自分の中にいろんな感情が巡っていた。

医者に薬を過剰摂取したと言えるわけもなく、思い当たるフシがない、と言い続けている母。その隣でうつむいて相槌を打つことしかできない自分。この上ない無力さを感じた。母が苦しいときにはいつもそばにはいない。母の子である権利もない。


家に帰り、母のいない二人と3匹の生活が始まった。
私は死のうと思ったが死にきれなかった。
何をしたいとか、そんな希望も夢も考える余裕がなくなってしまった。

今日を生きるのに精一杯。消えることができるなら消えたい。
でも、自分がしんでしまうと母と二人きりにさせてしまう。猫たちの暮らしも危うい。
色んな事情と思考が、目の前にある最善の選択からおいらを遠ざける。

こんな気持ち、状況を悟られないようにいつも通りを頑張るのだが、それを続けるたびに生きる気力もなくなる。

今日を生きるのに精一杯。二度と目覚めない眠りにつきたい。